水道管を利用したマイクロ水力発電とは、水道管の中を流れる水の「流量」と「高低差(圧力)」を利用して、小型の水車・発電機を回して電気をつくる仕組みです。
一般的な水力発電のように大きなダムを建設するのではなく、すでに存在する水道設備などに小型の発電設備を設置できることが大きな特徴です。
マイクロ水力発電は、どのような仕組みで発電するの?
水道水は、浄水場や配水池などから家庭や施設へ届けられる際、水道管の高低差により、一定の圧力で流れています。
この水の流れの途中に小型の水車を設置すると、
水が流れる → 水車が回る → 発電機が回る → 電気が生まれる
という仕組みで発電できます。
特に、標高の高い場所にある配水池から低い地域へ水を送っている場所や、もともと減圧弁などで余分な水圧を下げている場所では、これまで利用されていなかった水圧エネルギーを発電に活用できる可能性があります。
マイクロ水力発電のメリットとは?
1.既存インフラを活用できるので、初期投資が少ない場合が多い。
水道管を利用するため、大規模なダムや河川工事を必要とせず、既存インフラを活用できるのが魅力です。
2.季節・昼夜を問わずに安定した発電が出来る場合が多い。
水道は太陽光や風力と違って比較的安定して流れるため、条件が良ければ昼夜を問わず安定した発電が期待できます。
3.電気の消費地が近いので自家消費(電気の地産地消)により、送電コストを小さく出来る。
マイクロ水力のエネルギー源である、浄水場や配水池、水道管は、電気の消費地と隣接している場合が多いため、地域で生まれたエネルギーを地域で利用する「地産地消」とも相性の良い再生可能エネルギーです。
電気の地産地消により送電コストを小さく出来るので、経済効果を高めることができます。
ビルの省エネ技術としてのマイクロ水力発電
水道管を利用したマイクロ水力発電は、10m以上の高さがあるビルでも可能です。
ビルの屋上などの高い位置に、給水槽がある場合や、空調用の冷却水を循環させている場合など、水道管に10m以上の高低差がある場合に、マイクロ水力発電が活用できます。
この場合、マイクロ水力発電は、新たにエネルギーを生み出すわけではなく、ビルに使用する電気エネルギーの一部を、再び電気として回収する「省エネ」としての働きをします。
その理由は、ビルの屋上の給水槽などに水をくみ上げるためには、電力が必要だからです。
マイクロ水力発電は、水を下の階に流すときに発電を行うことで、水をくみ上げる時に使った電気エネルギーの一部を回収することができ、ビルの省エネに役立ちます。

つまり、ビルのマイクロ水力発電は、電気自動車や電車の回生ブレーキ(電気ブレーキ)と同じような働きをします。
回生ブレーキとは、自動車や電車の減速時に、ブレーキで発電を行うことで、走行に使ったエネルギーの一部を電気として回収し、走行に再利用する仕組みです。
回生ブレーキで回収した電気は、電気自動車の場合は蓄電池に充電して、走行に再利用します。

電車の場合は、回生ブレーキで発電した電気を架線に戻して、他の電車の走行に役立てます。
大都市圏の電車の場合は、減速中の電車が回生ブレーキで回収した電気を、他の加速中の電車が利用することで回収した電気を有効活用できます。

ビルのマイクロ水力発電でも、回収した電気を、ビルの照明や空調などの電気として再利用します。
ビルに蓄電池が設置している場合は、余った電気を貯めて必要な時に再利用することができると共に、災害による停電時も役立ちます。

マイクロ水力発電は、家庭の水道管でも発電できるの?
技術的には、小型の発電機を水道管に組み込み、水流から電気を取り出すことは可能です。
現在は、まだ経済性の面から、一般家庭でのマイクロ水力発電は実用化されていません。
しかし将来、技術革新により発電機の低コスト化が進めば、発電に必要な十分な水圧が得られる10m以上の高さのマンション・集合住宅での実用化が期待できます。

例えば10階建てのマンションで、屋上に設置した貯水槽から、真ん中の5階に設置した発電機までの、10m以上の高低差を利用して発電を行う方法が考えられます。この場合、発電に利用した水は、5階より下の階で使用し、6階より上の階では、貯水槽の水を直接使用します。
また、屋上の給水槽から10m以上の高低差がある各階(7階から下の階)に、それぞれマイクロ水力発電機を設置して、発電後の水を各階で使用する方法も考えられます。この場合、発電機の設置コストは上がりますが、発電量(節電できる電気の量)を増やすことができます。
マイクロ水力発電の設置方法は、建物によって様々ですが、屋上などの高い場所にの貯水槽に、水をくみ上げる時に使った電力の一部を回収できるので、電気代の節約に効果的です。
マイクロ水力発電で、マンションの管理費を安くできる?!
マンションの屋上の貯水槽に水をくみ上げる時に使う電気代は、多くの場合はマンションの管理費に含まれるので、マイクロ水力発電により、管理費を安くすることが期待できます。
管理費が安いということは、不動産価値が上がることにもつながり、分譲マンションの場合は、販売で有利になります。
また、賃貸マンションの場合は、入居者の方の公益比負担が減ることで、入居率向上の効果も期待できます。
マイクロ水力発電は、水道管のメンテナンスがとても重要!

マンション・集合住宅を含めた、ビルのマイクロ水力発電で、安定的に電気を供給して、省エネ効果を高めるためには、水道管のメンテナンスがとても重要です。
さらに、住宅における水道管をはじめとする水回りのメンテナンスは、大切な飲み水を守り、健康を守る上でもとても重要となります。
水道管の適切なメンテナンスは、建物の不動産価値を高める
水道管はじめとする水回りのメンテナンスは、建物の不動産としての価値を高める上でも需要です。
水道管はじめとする水回りのメンテナンスを疎かにすることは、水道管の老朽化を早め、最終的には建物の老朽化を早めることにもつながります。

言い換えますと、水道管はじめとする水回りの適切なメンテナンスを、定期的に継続することは、マンションや集合住宅を含め、建物を健全な状態に保つことにつながり、不動産としての価値を高めることにもつながります。

水道管のメンテナンス・トラブル対応は、業者さん選びがとても重要
水道管のメンテナンスや、トラブルが起きたときの修理は、水道工事業者さん選びがとても重要です。
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マイクロ水力の実用化事例
既に実用化されているマイクロ水力発電の事例としては、以下の4つがあります。
- 浄水場・配水池・減圧施設などの上水道設備
- 工場・ビル・大型施設など、水を継続的に使用する場所
- 農業用水・工業用水
- 落差や余剰圧力の大きい水道管
今後、マイクロ水力については、リサーチを重ねて具体的な実用事例を追記していきます。
